2018年は公的医療と介護保険が同時改定される予定です。この秋から改定に向けた議論が活発化しますが、医療と介護の連携、地域包括ケアシステム構築に向けた改革をどのようにしていくのかに注目が集まっています。
前回の介護保険改定では、在宅サービスの充実を推進する意図が明確で、訪問介護や訪問介護などは増収でしたが、施設系サービスは軒並み減収になりました。特別養護老人ホームなどの減収は、多く耳にしました。増えすぎた小規模デイサービスの減収は、驚かされました。
今回は団塊の世代が75歳以上の後期高齢者になる時代を見据えての改革になりますので、足りない施設を増やすのもそうですが、より一層在宅サービス充実を推進させる方針に傾くのではないかと考えています。
また、介護が必要になった方を手厚くケアするのも大切ですが、それなかりでは国の財政はもちません。
それよりも、介護が必要にならないように、介護予防や要介護状態からの回復を目指すリハビリが重視されています。
加えて、医療福祉の連携体制の構築にも、予算が配分されるでしょう。
医療保険はかかりつけ薬剤師の仕組みや薬価改定などで、無駄を省くことが予想されます。
介護人材不足対策としては、介護ロボットの活用や事務処理作業のIT化で現場の負担軽減が考えられています。
事業者としては財政逼迫状況には変わりありませんので、大幅な増収は望めません。介護保険外のサービスで収益を増やしていく道を、模索していく時代になっています。
介護保険や医療保険など公的保険に依存した経営は安定する一方、政策によって収益が変わりますので常に法改正に経営を左右されます。介護保険外でも収益の柱を持っていると、公的保険依存体質からの脱却も見えますので、事業者側はリスク分散できます。
いずれにしても、来年の改定からは目が離せません。